本『ディープ・ワーク』

Deep Work: Rules for Focused Success in a Distracted World

『ディープ・ワーク 注意散漫な世界で成功に集中するためのルール』

著者 カル・ニューポート

 

ディープワークとは、むずかしい仕事をする時でも、

集中力がとぎれることなく、集中して仕事をやり続ける能力のことです。

複雑な情報を素早く理解し、短時間により良い結果を生み出すことのできる

スキルのことでもあります。

つまり、ディープワークとは、競争の激化する21世紀の経済社会において、

すばらしい力なのです。

 

ところがほとんどの人は、1日の大部分を、

ばくぜんとメールやソーシャルメディアに費やしており、

他にもっと良い過ごし方に気付きもしないまま、

その能力を失ってしまっています。

 

『ディープワーク』の中で、作家であり、大学教授でもあるカル・ニューポートは、

常時接続の時代を生きる私たちに、衝撃的な物語を投げかけます。

集中しないことをとがめるのではなく、その対極にある集中力を称揚するのです。

 

この本は2つのパートに分かれており、最初のパートでは、

どんな職業であっても、ディープワークの持つ倫理観を深めることが、

大きな利益をもたらすことを説きます。

後半では4つのステップからなる「ルール」として、

人々の気持ちと習慣を変えるためのトレーニングが提示されます。

 

現代の文化に対する批判と、行動につながっていくアドバイスを通して、

『ディープワーク』は読者を印象的な数々のストーリーに誘います。

カール・ユングが自分の精神に集中するために、森の中で石を積み上げ、塔を作った話から始まり、

ソーシャルメディアのパイオニアは、アメリカと東京を往復するビジネスクラスの航空券を買い、空を飛びながら執筆に集中した話、

それとともに、実際的なアドバイスも上げられています。

たとえば、真剣にひとつのことを極めようと思うなら、ソーシャルメディアはやめなければならないという主張や、

人は「退屈する」ということを練習しなければならない、という主張なども含まれています。

『ディープワーク』は、注意散漫な世界で成功に集中しようと考える人にとって、

欠くことのできないガイドブックとなっていくでしょう。

 

 

 


元記事:goo.gl/GiDujQ

(翻訳:服部聡子)