感情的な人を落ち着かせる3つの魔法の言葉
by ジェシカ・スティルマン
怒っている顧客?
機嫌の悪い従業員?
やっかいな会話を正常に戻す魔法のフレーズを、臨床心理士が教えてくれます。
世の中が、まっとうで合理的な人ばかりなら、
ビジネス・オーナーなどの仕事も、ずいぶん楽なものになるでしょう。
ところが、ご存じの通り、中には毎日のように周囲を引っかき回したり、
ケンカがしたくてうずうずしているような人もいます。
日頃は穏健な人でさえ、時には感情に身を任せてしまうこともあります。
感情的な人の相手を、つねに避けて通ることはできません。
こうした厄介な相手との会話もまた、人生の一部であり、
相手をする苦痛を和らげ、話し合いを建設的なものにする方法もあります。
ここでは臨床心理医であるドクター・アルバート・J・バーンスタインの話を紹介します。
バーンスタイン医師は、こうもアドバイスしています。
もしあなたが幼稚園の先生になったような気がしたなら、
おそらくあなたはうまくやっています。
電話口で怒ってわめきたてる人を落ち着かせ、
また、あなた自身の感情的なダイヤルもターンダウンするような会話にチャレンジしてみましょう。
1. 「もっとゆっくり話してください。お力になりたいんです」
何もほんとうに早口過ぎて、聞き取れないわけではありません。
問題は、わめいたり泣いたりしてコントロールを失っている相手にあります。
にもかかわらず、このフレーズは魔法のように効くとバーンスタインは言います。
この言葉がどうして効くのでしょうか?
それは、彼らの思考パターンを打ち破るからなのです。
彼らは、あなたに抵抗されると予期していますが、あなたはそうしない。
その代わりに、彼らに明瞭に話してくれるように頼むのです。
私は知りたいんです、と。
そうすることで
「恐竜並みの頭脳」が考えるようになります。これはいい状態です。
2. 「何か私にできることがありますか?」
この言葉は、1.と同じ効果を発揮します。
「恐竜脳」、つまり、 飛ぶことや戦うことしか知らない、
原始的で感情的な脳の一部しか使っていない感情的な人を、
その状態から連れ出して、
思考能力が使える状態に持っていく働きがあるのです。
3. どんな質問でも良いから、とにかく質問する
相手のいうことがどれほどおかしいかは、問題ではないのです。
会話を正常なものに戻したいからといって、
相手の頭がどれほどおかしいか、教えようとしたり、
自分の視点がどれほど正しいかを説明しようとしても、何の助けにもなりません。
どうしてか?
説明しようとする行為は、実は、ケンカに反撃していることにほかならないからです。
相手はそれを感じ、ますます感情的に、攻撃的になってくるでしょう。
聞くという行為は、感情的な相手に働きかけるのです。
内容は問題ではありません。
バーンスタイン医師のいうように、あなたが適切な質問を出していけば、
相手もだんだん落ち着いてきます。
そうすることで、どれほど分別のある良いことを言うよりも、
会話は安定したものになっていくでしょう。
著者:ジェシカ・スティルマン(Inc.com)
(翻訳:服部聡子)