ミレニアル世代のMBAホルダーが求めるもの

 

1980年代から2000年までに生まれた「ミレニアル」世代のビジネス・スクール卒業生たちは、

給与にさほどの重きを置いておらず、

それよりは充実感や社会的影響を持つこと、起業家精神などを重視していることがわかりました。

 

ウォートン・スクールの2014年の卒業生のうち、

起業、もしくは自営業に就いたのは55名で、 これは5年前とくらべると、50%の増加になります。

 

また、ロンドン・ビジネス・スクールでは、

MBA卒業生が金融サービス業界に就職する割合が、

2007年の段階では46%であったのに対し、昨年は28%まで低下しました。

 

「ビジネス・スクールに志願するミレニアルズに関心があるのは、

社会事業や『良いことをして収益を上げる』ことなのです」

MBA入学コンサルタント業をおこなっているエッセイ・スナークは語ります。

 

「彼らは終身雇用などというものは、夢にも考えていません」

Business Because

 

MBA卒業生にとって、銀行や大手コンサルタント会社は、

何か他の仕事に移る前に、スキルを身につける場でしかないようです。

 

事実、一企業にとどまる人にとって、昇進はよりむずかしいものとなりつつあります。

ウォール・ストリートで働く 「圧迫された中流」(※訳注)

(※社会の中で、 インフレと増税の打撃をもっとも強く受けるとされる中流階級を指す)

の30代銀行家は、 昇進の機会がほとんどないのではないか、という危機感を抱いています。

 

たとえばゴールドマン・サックスは、取締役会への昇進を2年ごとに行っていますが、

2010年にくらべて2012年は、その数が39人も少なかったのです。

そこから最終的に共同経営者の地位まで上りつめることができるのは、

限られたほんの数名でしかありません。

 

多くの学生たちは、大企業で働くことを、疑い始めています。

女性の卒業生たちもまた、銀行に入ることを優先しなくなり、

eコマースやテクノロジー・セクターに関心を持つようになっている。

 

「ミレニアル世代の一員として、私たちは男子学生よりも、『成功』に焦点を当てています。

自分たちの情熱で、成功を引き寄せたいのです」

と、MBA卒業生でeコマースサイト VIP SOULを創設したファビオラ・パロミノは語ります。

 

ビジネススクールの側も、こうした学生の「社会貢献をしたい」という意欲に答えようとしています。

 

オックスフォード・サイード・ビジネススクールの学部長であるピーター・テュファーノは

「世界規模の問題に取り組むことが、ビジネス・スクールの目標なのです」

と言います。

 

エスマー・チフィエロは、アストン・ビジネス・スクールの卒業生です。

彼女は国連開発プログラムで、3年間ナイジェリアで過ごしたあと、

現在は、母校のアストン校で、ハルト・プライズのキャンパス・ディレクターとして働いています。

ハルト・プライズとは、次世代の社会貢献活動を担う学生を募るコンペティションです。

「大勢の人の命を救うために、社会に影響を与えることは、 何より充実感があるし、

自分が生きていく上で『成功している』と感じられます」

と彼女は語っています。

 

ビジネスビコーズ・ニュース


元記事:http://bit.ly/1yFkJse(抄訳)

(翻訳:服部聡子)