本:『トリガー 習慣をつくり なりたい自分になる』

Triggers: Creating Behavior That Lasts ?Becoming the Person You Want to Be

マーシャル・ゴールドスミス、マーク・リーター著

 

 

ベストセラー著者でありエグゼクティブ・コーチとして世界的に知られるマーシャル・ゴールドスミスが、

この最新の著書で、順調な仕事と生活から私たちを脱線させてしまう、

環境的そして心理学的なトリガー、きっかけとは何かを論じます。

    
自分自身では辛抱強く、人の気持ちが解り、問題解決のできる人間だと思っていたのに、

当てはまっていない自分に気づいたことはありませんか?

普段は動じない自分が、誰か特定の同僚がいるときだけは苛立ったり、

取り乱してしまったりすることに気づいて、驚いたことはありませんか?

また、自動車の運転中に、目の前に割り込まれてついカッとなってしまったことはありませんか?

    
マーシャル・ゴールドスミスが言うように、原因が何もないときにこういった反応が起こることはありません。

通常は、何か好ましくないトリガーが身の回りの環境のなかに現れた結果として起こるのです。

つまり、同僚として、パートナーとして、親として、あるいは友人として自分が思い描いている、

あるべき姿とは正反対の行動を引き起こさせてしまう人や状況があるのです。

    
これらのトリガーはあらゆるところに潜んでおり、現れると、いつも必ず調子が狂ってしまいます。

キッチンからベーコンの香りが漂ってくると、

医者がコレステロールを下げるように言っていたのを忘れてしまいます。

電話がなると、向かい合って座っている人の目を気にもせず、

条件反射的に光っているスクリーンに目をやってしまいます。

かくも頻繁に、周りの環境には私たちの手が及ばないものがあふれています。

しかし、たとえそうだとしても、ゴールドスミスが指摘するように、

それに対してどう反応するかは、私たち自身で選ぶことができます。

    
ゴールドスミスの著作のなかでもっとも力強く、ひらめきに満ちた本書『トリガー』では、

人生のなかでどのようにしてトリガーを克服し、

意味のある変革を起こしそれを継続さればよいのかを示します。

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変革というものは、どれだけ切迫していて、それが明らかに必要な状態であっても、難しいものです。

やらなければならないことが判っていたとしても、それを実行することとは異なります。

ゴールドスミスは、私たちは計画立案者としては優秀でも、

進むにしたがって環境が邪魔立てをするようになり、実行者としては不得手となってしまうと言います。

私たちは、当初の意思を忘れてしまうのです。

疲れ果て、穴の開いたバケツから水が漏れるように、自制心が流れ去ってしまうのです。

    
『トリガー』では、ゴールドスミスは、私たちが自身を毎日、簡単に省みることができる

「マジック・ブレット」という解決策を、

ゴールドスミスが言うところの「アクティブ・クエスチョン」と関連付けながら説明します。

これは、私たちの結果ではなく、努力を測るための質問です。

達成することと挑戦することは異なっています。

欲する結果を常に得られるとは限りませんが、挑戦であれば誰にもできるものです。

『トリガー』のなかでゴールドスミスは、

6つの「エンゲージング・クエスチョン」について詳細に説明します。

これは、私たちが、自身の至らない部分に気づくための努力を、

責任を持って行えるようになるためのものです。

    
本書は、私たちが人生における変革を起こし、

それを継続させ、なりたい自分になるために書かれた、

ゴールドスミスの個人的な経験に基づく脚本集です。

著者がこれまで仕事を共にした経営者やビジネス界の黒幕たちとの、内情が垣間見られる、

気づきの多いエピソードであふれています。

 


元記事:http://amzn.to/1HlZG5p

(翻訳:角田 健)