Commitment-コミットメント

昨年12月には、ジェイ・エイブラハム師来日セミナーのスタッフとして
イベントに参加させて頂き、とても刺激的な時間を過ごさせて頂きました。
もちろんセミナーの内容も素晴らしかったのですが、個人的にとても心に残ったのは
ミーティングのときにジェイさんがおっしゃった一言です。

「あなたの会社で働く人は、あなたに一生を捧げているのです。彼ら、彼女らが
あなたに必要とされていること、大切に思われていることを感じさせてあげなくては。
シングルマザーの社員がいるのであれば、彼女のためにもっと何かできることはありませんか?
彼女の息子さんのために何かしてあげていますか?」

通訳しながら思わずほろりとしてしまいました。

イベントで感じたことを書き出していけばキリがありませんが、
ここは「翻訳裏話」を共有する場ですので本題に移りたいと思います。

「一生を捧げている」と私が訳した言葉ですが、ジェイさんはcommitという単語を
お使いになったと記憶しています。
「結果にコミットする」とか「コミットメント」などの言葉を、最近では耳にするように
なりましたが、私はこのcommitmentの訳に悩むことがあります。

辞書で引いてみると、「献身する」「約束する」「決心する」という訳も出てきますが…

「結果に献身する」「結果を約束する」「結果を出すことを決心する」
どれもちょっと不自然なような…

だからこそ「コミット」とか「コメットメント」がカタカナで使われるように
なったのでしょうけど、なんだか言葉の重みが伝わらないような気がするのです。

Commitmentの語源を調べてみると、
Com「共に」または「いっさいを」+mittere 「送る」
という意味だそうです。
「ある事柄に、自分を送り込む」つまり「自分の身を捧げる」という感じでしょうか?

そう考えると、「約束する」とか「決心する」という訳ではしっくりこない理由が見えてきます。
それは、頭・心・体の全てを捧げる、という意味の言葉でなければならないからです。

一番近そうな言葉は…「献身」?
なんだか戦国時代みたい…と感じるのは私だけ?

「これだ!」という訳が見つからず、未だに模索中です。
その都度、文脈を見て一番良いと思える単語を当てていますが、ジェイさんの言葉の重みが
きちんと伝わるように努力を続けていきたいと思っています。

ちなみに、Company、つまり「会社」の語源ですが、
Com「共に」+panis「パンを食べる」
という意味だそうです。「同じ釜の飯を食う」と日本語でも言いますが、
「生きることを共にする仲間」という意味であることが分かります。

冒頭で紹介したジェイさんの一言ですが、まさに、この精神を示しておられると思いませんか?

(a_washiyama)


a.washiyama

a_washiyama:
ShimaFuji IEM 翻訳チームのメンバーです。
翻訳家としてまだまだ勉強中ですが、ジェイさんのお考えを分かり易く、正確にお伝えできるよう、邁進して参ります!