ジェイ・エイブラハム事例15:照明制御システム製造販売

現在のEx-Or 社は、 年間売上高3,000,000ポンドを超え、20人の従業員を抱える企業です。イギリスのマージーサイド州を拠点とし、照明制御システムを設計、製造、販売しています。
 
以前のEx-Or 社は、非常に小さなニッチ市場1つに対して商品を販売していました。実際、自分たちのことを「ニッチ市場の中のニッチ市場に販売している」と言っていたほどです。

ビジネスは採算が取れており、利益を確保することは簡単でした。
従業員に給料を支払うには十分な金額を確保していました。
また、取締役たちを引き留めておくにも十分な金額を確保していたので、
取締役たちはその状況に慣れてしまっていました。
当社のような規模のビジネスが生み出せる最大限の利益とまではいきませんが、
十分な利益を生み出していたのです。
ニッチ市場では、直接雇用の営業チームが、
節電のための照明制御機器を公的機関に販売していました。
つまり、典型的な「飛び込み台戦略」だったのです。

 

ところが、次第に状況は変わり始め、数年のうちに、当社は窮地に追い込まれました。
競合が当社のビジネスに気づいて参入してきたため、市場の競争が激しくなったからです。
資金は干上がってしまいました。
具体的に話すと、当社は、1年の最初の3か月で年間売上高の50%を確保し、
それを活用しながら次の年度が来るのを待つ、という方法でビジネスをおこなっていました。
状況が変わり始めた2年間は、第1四半期の売上げがそれほど多くなかったので、
なんとか持ちこたえるだけでも苦労しました。
その次の年に売上げが確保できなくなると、状況は変わったのだということ、
そして別の市場を見つけるという課題に真剣に取り組んだほうがよいことをようやく理解しました。

 

状況が変わり始めたころ、パワートークのジェイ先生のインタビューを聞く機会があり、
その後Ex-Factorの在宅学習用プログラムで学びました。
学んだアイデアを活用して、当社のビジネスを活性化しました。

 

売上げが確保できなくなった年には、当社の軌道を修正する仕事を任されました。
まず、国外の販売代理店をいくつか開設しました。
売上高に大々的に貢献するものではありませんでしたが、
代理店をサポートする労力はそれほど必要ありませんでした。
また、卸売業者やOEM(委託製造) などの第三者と提携し、
当社の基本的な商品ラインを提携先の顧客基盤に販売しました。
これは、当社とは異なる顧客基盤でした。
歩合制の販売員を何人も採用したことは、大成功でした。
歩合制の人たちのほうが固定給の販売員よりも売上げが多いときもありました。
高額な商品ラインを開発したことで、複数のOEMメーカーと戦略的提携を結ぶことができました。
ほかの事業よりも粗利益は少なかったのですが、
継続的な販売努力はあまり必要とされなかったので、粗利益の少なさは許容範囲内でした。

 

また、新商品の開発のほかに、2つのリソースから商品を追加しました。
他社との提携による補完的な技術、そして即金による商品ラインの購入です。
このように新たに商品を追加することで、
設計者やコンサルタントにアプローチするために必要とされる
詳細なオファーを提示できるようになりました。
当社が以前から参加したいと思っていた大規模なプロジェクトを指揮している人たちです。
それから、照明制御機器を設置する請負業者も当社が選びました。

 

金銭的な面に関してお話しします。
売上高は、当社が望んでいたほどすぐには増加しませんでした。
商品と市場の多様化によって会社が安定したことで、成長への土台ができました。
ただ、崩壊に近い状態から会社を救ったのは、
飛び込み台戦略」から「パルテノン神殿戦略」へ切り替えたことでした。

 

以前は、先細りする1つの収入源が売上げの80%以上を占めていました。
現在は多様化し、売上げの25%は以前からの顧客基盤、
30%は提携したOEM(以前はゼロ)、20%は国外(以前は約10%)、
15%は各商品の卸売業者(以前はゼロ)、そして10%はエンドユーザーからもたらされています。
歩合制の販売員は上記以外のチャンネルから売上げを獲得しているため、
この構成比には数字としてカウントされません。

 

当社の成長における次の段階は、
専門性のある営業担当者が市場内のさらに小さなセグメントに対して
具体的に働きかけることでしょうか。

 

ここで余談になりますが、ひとつお話しします。
当社で何が行なわれていたか、
さらに、現在何が行なわれているかという明確な見取り図を作ることが難しかったのですが、
その理由は、利用しやすい正確な経営データがないということでした。
データは初歩的なシステムで記録されていたので、
本当に必要な分析を行なうことはできませんでした。
それまでは、販売員が総売上高を各売上高に手動で落とし込んだものを
経営陣が受け取っているだけでした。
商品別や市場別のデータはなかったので測定することができず、
管理することもできませんでした。
良質な経営データがあったら、
迫りくる危機的な状況を把握したり現状を打破する提案をしたりすることは
もっと簡単だったと思います。
現在は修正されたので、今後はさらに良質なデータを利用できるようになります。

 

当社のことをお話ししてきましたが、結局のところ、最大の発見は私の頭の中にあります。
今、私は確信を持って言えることがあります。
それは、物事は思っているほど複雑ではないこと、
現行よりも優れた方法は常に存在すること、
そして、最大限の投資利益率(ROI)を追求しないことは人生を無駄にしていることです。
そして、非直線的思考で物事を考えるようになったので、今後が楽しみです。

 
 

― ブルース・キャスウェル(Ex-Or  元マーケティングディレクター)

 
 

jay_smallここではセミナーやオーディオ教材などで、ジェイ・エイブラハムの教えを学んだ人から寄せられた
感謝の成果報告900通の中から、日本人にも取り入れやすい実例を紹介しています。
職業や経歴、年齢、国籍もさまざまな人々が、それまでのやり方ではどうにもならない問題に直面し、ジェイの教えを自らのビジネスに適用して乗り越えて来た、ありのままの実践の報告です。ジェイ・エイブラハムとは、フォーブス誌選出全米5大エグゼクティブ・ビジネスコーチ。
これまでコンサル先企業に計測できるだけで1兆円の売上増加を導いた、利益増大の巨匠。
ジェイ・エイブラハム
“The Abraham File:Measurable and Tangible Results”より翻訳

 


翻訳:渡部真紀子(ShimaFuji IEM 翻訳チーム)

アメリカの大学でビジネスを学んだ後、帰国して小売り業界で働くが、
国際的な仕事への想いが募り、翻訳の道へ。
マーケティング関連の翻訳を経て、弊社翻訳チームに加わる。