CRMの技術:読まれるメールマガジンはどう作る?

CRMの技術

こんにちは、トイアンナです。
マーケティングの一分野にCRMと呼ばれるものがあります。
簡単に説明させていただくと、お客様サービスです。
クレームの受付から顧客向け情報の発信、VIP限定イベントを開催することもあります。

CRMには2つの目的を持っています。

  1. 顧客のロイヤリティ向上
  2. 消費者から情報を得ること

雑誌で送る読者アンケートのはがきなども、2. の目的を満たすCRMに含まれています。

さて、その中でも多くの企業で採用されているのが「メールマガジン」でしょう。
日本人の94%が何らかのメールマガジンを受け取っており、20通以上購読している人も23%に上ります。

ところが、メールマガジンの開封率は悲惨です。
いくつかのデータがございますが、開封率はわずか10%とも言われております。なんと10本に1本しか、送ったメールマガジンは読まれていないのです。

今回はCRMの基礎を押さえながら
メールマガジン(以下、メルマガ)の購読数を向上させるテクニックをお伝えいたします。

絶対に「失敗」するCRM講座

いつの世も、賢者は失敗から学ぶものです。まずはメルマガで必ず失敗する方法をお伝えします。

<失敗するCRMの条件>
・CRMの専任担当者がおらず誰かが「ついで」で始めた
CRMは顧客分析から、まだ営業も気づいていない新しい顧客層の提案まで幅広い責任を負います。しかし社員へ「お前、メルマガもやっといて」とついでに仕事を依頼するならば、ただの「週に1回メルマガを書く人」と化すでしょう。これでは、戦略を立てようもありません。

・「できること」からサービスの種類を決めた
IT企業からの営業で、新しいメルマガサービスなどを紹介されて導入してしまうと、自社の顧客が本当はメール機能すら使わない層であったとしてもシステムに振り回されてしまいます。

・営業の考える顧客像と読者層が合わずデータを活かせない
メルマガのアンケートで明らかになる消費者像は将来のターゲットを想像する役に立ちます。
「今は40代男性が中心だが、あと数年で彼らも50代。
そうなると関心ごとが仕事から親の介護や自分の退職後にもなるよな……」
といった具合です。この将来像が共有されていないと、営業とCRMで別の顧客層へメッセージを送ってしまうことになり売上へ繋がりません。

・設置はしたがレビューせずいつまでも中身のないメルマガを垂れ流す
たとえば「こんにちは、担当の○○です。今日も暑いですね。残暑を乗り切る秘訣が実家には代々伝わっていて……」などと、日常のメールの延長でメルマガを送っていないでしょうか。現在、消費者は画像や動画を重視する傾向にあります。こういった「何が好かれているか」のレビューを行わない限りは、じりじりと読者数が減っていくこととなります。

メルマガを必要な層へ届ける方法

メルマガを実施するのであれば、原点に立ち返って、まず自社製品を使う層がメールを読む層かを考えてみましょう。

60代以上の女性はネットリテラシーが低くパソコンでメールを見ません。
また、20代前半の男女はメールよりLINEを好みます。
同じメッセージでも何が最適な道具かを考えなおすことによって、開封率を上げることができます。
残念ですが、もし狙っている顧客層がメールマガジンを読む確率が低いのであれば、より最適なメディアを探すことから始めましょう。

タイトルを見た一瞬で読む価値を伝える

次に、タイトルの最初10文字で「そのメルマガをわざわざ開いて読む意義」を与えましょう。10文字は携帯電話の小さな画面でも見られる文字数と言われています。

たとえばメルマガでしか読めない腕時計専門家のお手入れ講座があれば、購買者は開きたくなるはずです。また購読者限定イベントの招待など「選ばれたメンバー感」をあおることが有効であることも分かっています。

割引クーポンなどは商品の利益率を下げ、価格競争へ自分のブランドを押しやります。それよりもメルマガを読む本質的な意義、メリットを提供するために何を載せるべきか考えてみてください。

画像・動画を活用する

先述でも述べていますが、タブレット使用者が増えた現在、文字だけが並ぶメルマガよりも画像1枚で魅力を語るメルマガが喜ばれる傾向にあります。1,000文字以上のウンチクよりも、恰好のいい1枚の画像を使います。あるいは雑誌のように文字をレイアウトするのもよいでしょう。メルマガもお客様にとっては商品の一つ。素敵なデザインができれば、自社サービスもまた素敵に思われるのです。

<まとめノート>

  • メルマガを実施する前に、そもそも顧客層はメルマガを読むのかを考える。むやみにITシステムが整っているからといってメルマガをすると決定しないこともまた英断
  • タイトルで魅力がなければ開封率は上がらない。携帯電話でも見られる最初の10文字に命を賭ける
  • メルマガをわざわざ開く魅力は「そのメルマガでしか得られない何か」。割引クーポンなどは価格競争の泥沼へ陥るのであまりオススメできない
  • 画像・動画を活用し、文字の羅列と思わせないレイアウトを用意。最後まで読みたくなる魅力ある誌面にする

toiannaトイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com
新著『恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?』(光文社新書)