チェーンに学ぶビジネスの勝ち方:1億杯のコーヒーを1週間で売る

こんにちは、トイアンナです。
 
イギリスといえば紅茶のイメージがありますが、実はその国に激震が起きています。
実は現在、イギリスはコーヒー大国。コーヒー店業界の売上は17年連続で上昇しており、
昨年だけでも10%市場が拡大しなんと1兆円市場へ到達。夢のような成長ぶりです。
 
それをけん引したのが、日本でいうならエクセルシオール、ドトールのようなコーヒーチェーン店です。
イギリス国内でコーヒーショップの数は20,000店舗を超えており
日本のスターバックスやドトールコーヒーの1,000~1,400店舗数と比較すれば、
非常に大きな市場であることがわかります。
 
そこで今回は、代表的な3ブランドをご紹介することで日本のカフェ経営にも応用できる
「成功の秘訣」をお伝えいたします。
 
なお、実際の3ブランドの店舗写真をご覧になりたい方はこちらをご参照ください。
イギリス情報 | お気に入りのカフェはどれ?

コスタ:コーヒーの先駆けという誰にも勝てない強み

初めてイギリス人を紅茶党からコーヒー党へと動かしたのがカフェ「コスタ」です。
コスタは1971年創業の老舗で、イギリスへコーヒー文化を持ち込む先駆者となりました。
 
特に大きなカップで紅茶を何倍でもお代わりするイギリス人にとって、
の直径10cmはあろうかという大きなカップで
コーヒーを「ごくごく飲む」という発想がぴったりフィット。
在でも2,000店舗以上の大規模チェーンとして愛されています。

日本で応用できる点:イノベーションを起こし業界をけん引する

マーケティングで最も影響力が強いとされるのが
「この世に無かったものを消費者に提案すること」、通称イノベーションです。
まだ流行っていない製品やマニア向けサービスを一気に広げることでブームを巻き起こします。
 
製品を広めた最初の1社目はその後もトップシェアでいられることが多く、
「コーヒーと言えばコスタ」といったイメージを植え付けられます。
日本の例なら「コーラといえばコカ・コーラ」あるいは「航空会社と言えばJAL」といったものです。
ただし、イノベーションを巻き起こすためには認知度を急激に上げる必要があり、得てして広告費がかかります。

カフェ・ネロ:美味しいコーヒーが飲める唯一の店

さて、業界1位のコスタには大きな欠点がありました。
コーヒーがそこまで美味しくなかったのです。
決してマズいとまでは言いませんが、当時のコーヒーは「紅茶ほどは美味しくない」くらいの位置づけでした。
 
そこでカフェ・ネロは「どこよりもおいしいコーヒー」を純粋に追及し、
イタリア風の濃いコーヒーを展開して一気に質を向上させました。
カフェ・ネロが登場するまで、多くのコーヒー店では目の前でインスタント粉コーヒーを入れるだけ、という店も多かったイギリス。
 
カフェ・ネロはひき立てコーヒーを提供することで、
チェーンに限らず全国のコーヒー品質を向上させる革命を起こしたのです。

日本で応用できる点:質で勝ることで1位の座を揺るがす

イノベーションを繰り返す企業は先進的な反面で、品質に劣ることがあります。
たとえばソニーのウォークマンは1990年代まで時代の寵児でしたが、
その一方で「ソニータイマー」とも揶揄される品質の欠陥が指摘されていました。
そこで品質を求めた消費者はパナソニックなどの他ブランドを選んでいました。
 
このように先頭を走るブランドが逃している品質に目を向け、
そこで圧倒的な差別化をすればトップを揺るがすライバルになれるのです。
現在でも誰もが知っている製品で、質で劣るものはないでしょうか。
そこが、あなたが次に勝てる場所です。

プレタ・マンジェ:オーガニックという新しい軸で独自展開

「プレタ・マンジェ」は他ブランドに比べて創業も遅く、コーヒーチェーンでは後塵を拝していました。
ただの品質、ただのイノベーションでは勝てない。
圧倒的不利な状態から生まれたのは「大規模チェーンが決してできない戦略」を狙うことでした。
 
まず、「プレタ・マンジェ」は添加物を使わないオーガニック食品を使い、都心に展開しました。
特に環境や有機野菜に関心がある都会の裕福なビジネスパーソンを狙ったのです。
こういった「全国的に人数が少ない」相手へ売り込むことは、
すでに大きくなりすぎたチェーン店にとって難しくなります。
 
「プレタ・マンジェ」の手作りサンドイッチは味も美味しく、健康志向の富裕層へ大ヒットしました。
日本で例えるならナチュラルローソンや、成城石井の成功例がこれに近いと言えるでしょう。
 
現在はより激しくなった競争に打ち勝つため「筋トレ用の美味しいたんぱく質メニュー」や
「ベジタリアンが満腹になるお弁当」といった、
これまで「味に妥協してきた人」を満足させる品ぞろえとなっています。

日本で応用できる点:大規模チェーンができない「少ない人数」を狙い撃ち

日本でもダイエット中の方、筋トレに励んでいる方向けのメニューを用意できているカフェはほとんどありません。
日本でも「偏食しませう」という強烈なキャッチコピーで
筋トレしている方が食べられるお店「b-ZONE」がヒットしています。
 
このように「今まで誰も狙ったことのない消費者」へ目を向けることで、
コアなファンを作るのもマーケティングの手法です。
メリットは広告費が無くても口コミで広がりやすいこと、
デメリットはある程度人口がない地域で実施すると
「該当する人が10人くらいしかおらず、商売にならない」恐れがあることです。
この戦略を取られるのであれば、必ず
お住まいのエリアにどれくらいコアなファンがいるかを概算してからにしてください。
 
 
ここまで、イギリスのコーヒーチェーンを参考に
日本で勝てるマーケティングの方法をご案内してまいりました。
大規模な市場も、街中のお店も初めは同じ1店舗。
そこからあなたが成功するためにも、先人の知恵を活用していってください。
 
参考資料:
スターバックス 店舗数
http://www.starbucks.co.jp/company/history/
ドトールコーヒー 店舗数
https://www.doutor.co.jp/about_us/ir/report/fcinfo.html
 
 


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

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