「あなたの奥様を好きになる男は誰?」競合分析とは

こんにちは、トイアンナです。
いきなり不穏な質問で恐縮ですが、あなたの奥様はどんな人にモテると思いますか? 「そんなうちの妻なんて……」と謙遜するのは止しましょう。あなたが1度は惚れた女性、そして今は尊敬するパートナー(ですよね……?)となった奥様は今だって引く手あまたのはず。70年代ならいざ知らず、この時代なら10歳年下の彼氏を作るのだって珍しくありませんから奥様を付けねらう悪い虫だっているかもしれません。
 
と言っても、この話は決して「奥様に油断するべからず! 今すぐ興信所を付けてください」なんて物騒なメッセージではありません。奥様を狙う男性を想像することは、あなたのお仕事における「競合分析」と似たエクササイズになるがゆえのご提案です。

ライバルを想像するために、あなた自身を思い出そう

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と孫子も述べていますが、あなたの奥様がモテる相手、つまりあなたのライバルになる男性はどんな人か。それさえ分かっていればあなたはライバルの男性より一歩抜きん出ることができます。そして付き合っていた当時、実際にあなたが勝利したからこそ奥様と一緒になることができたはずです。奥様に夢中になるような男性を想像する際のヒントとなるのはあなた自身。「結婚前、付き合っていた当時のあなたが持っていた強み」をリストアップしてみましょう。
 
まずは年収や職業のような、表面的なものから入ると簡単です。
・ 年収400万円
・会社員だったが、父の会社を継ぐ予定だった
表面的な「強み」が出揃ったら、次は多少「盛った」つもりで構いません。性格についてもあなたの強みを記してください。
・ 毎週1度は家族で出かける優しい性格
・ 誕生日にきちんとプレゼントを渡すマメさ
・トラブルが起きたときの包容力
こんな風に並べてみると「俺って意外といい男だなぁ」なんて思えてきませんか?そんな男性像が、奥様を今でも狙っている「ライバル」の姿でもあるのです。ですが不安になることはありません。付き合っていた当時のあなたと現在のあなたでは今の方がずっと奥様を深くご存知でいらっしゃるでしょうし、奥様が喜ぶ術も身につけたかと思います。あなたは今、間男が現れても奥様を守れる「勝者」なのです。
 

ライバルを想像するために、あなた自身を思い出そう

ここまでは奥様との馴れ初めを思い出していただきましたが、仕事でもこのような視点を持つと、競合の姿が浮かび上がってきます。あなたが口説き落としたいお客様は、いったいどんなライバルに狙われているでしょうか。そして、そのライバルはどんな強みを持っているでしょうか?今回は事例としてガラス製のテーブルウェアを制作しているA社を参考に、競合分析をしてみます。
 
もともとA社の強みは、1つ1つ手製で製作する「うすはり」のグラス。厚さわずか1mmの口当たりは、お酒を飲む上で決定的な違いをもたらします。自社グラスを使ってもらえる老舗のバーやレストランを徐々に増やしていましたが、その一方で、競合の外資系大手B社にシェアをどんどん拡大されている状態にもありました。
 
ここでB社の競合分析をしてみましょう。先ほどの「奥様のライバル」と同じように、まずは表層的な強みをリストアップすると分かりやすくなります。
・ A社と0.5mmしか違わない「うすはり」を大量生産できる工場
・高い耐久性で、食器洗浄機でも洗うことができる
・低い卸値
さらに深掘りして「お客様目線」の感情的な強みも記します。
・大量発注してもすぐ納品してもらえる安心感
・海外ブランドというカッコいいイメージ
・ 青山、心斎橋のようなシャレた地域にある直営店舗
こんな風に「機能」と「感情面」での強みをリストアップすると、競合の姿が見えてきます。

お手元の情報だけではお客様から捉えた自社とライバルの差が分からないようなときは、ぜひお客様へ自社の名前を伏せてお招きし、こんな質問をしてみてください。
・ ライバル社の製品をどれくらい買いたいか
・ なぜライバル社の製品を買いたくなるのか
・ ライバルの製品・サービスがなかったら他に何を選ぶか
 
ある地方都市で語学学校C社を運営している社長さんが、社名を伏せて英会話イベントを開催。イベントへ来訪された方へ上記の質問をしたところ、ライバルの語学学校D社を選ぶ方は「朝8時から運営している」ことを理由に挙げたそうです。そこでC社の社長さんは競合の強みを逆手に取り「C社は夜遅くまでやっています、お帰りが遅い方も勉強できます」という運営体制にしたところ、夜型の生徒さんを取り込んで事業拡大できたそうです。
 
競合の強みを知った上で、競合とは違う自社のサービスを売りにする。
これこそ、マーケティングの「差別化」を実現できた例と言えるでしょう。
競合の強みを学び「違う強さ」をアピールできれば、あなたの扱う製品やサービスも、まさに百戦危うからずです。
 
次回は、
「売上を6割上げた奇跡の旅館に学ぶ「競合」の考え方」についてご案内いたします。
 
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ファイル 2016-03-04 15 23 20

トイアンナ:

大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。

ブログ:http://toianna.hatenablog.com